2019.11.29
廃棄物処理の方法
先日、日本経済新聞で古紙を取り巻く状況が記事にされていました。※1
2019年11月現在、我々の現場では記事の通り、古紙(古新聞、段ボール、シュレッダー等)の輸出価格の下落により、古紙の価格低下が止まらない状況が発生しています。
この状況は、以前触れた廃プラスチックの問題同様、中国の廃棄物輸入制限による影響が大きいと考えます。
2018年のデータを見ると、日本の紙・板紙の使用量は、約2,628万tです。※2
同年の国内 古紙回収量は、約2,067万tです。その内、国内 古紙利用量は約1,696万tです。※2
日本の古紙リサイクルは国内で使い切れないものを輸出することで上手く循環していました。
2018年の日本から輸出する古紙の量は、約378万tで、その内 中国への輸出量が約274万tです。※2
他にも韓国や東南アジア各国等へ輸出していますが、その量は少なく、以下となります。 ※3
韓国約27万t、ベトナム約20万t、タイ約20万t、台湾約19万t、インドネシア約13万t、マレーシア約3万t、フィリピン約3千t、インド約3千t、その他(バングラデシュ、パキスタン、ガーナ、マーシャル諸島)6千t
中国は文字通り桁違い(約274万t)の輸出先の国でした。
その中国が廃棄物を輸入制限した事で、廃プラの時と同様、国内に滞留し始めています。
これまでは有価物として扱われていたものが、処分費用が必要なゴミとして扱われるようになってきています。
ゴミに対する認識を改めなければならない時代が到来しています。
※1
出典:中国の環境規制、古紙リサイクルに打撃
日本経済新聞 電子版 2019/11/5 13:57
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51788740V01C19A1QM8000/
※1
出典:中国輸入制限で古紙だぶつき
日本経済新聞 朝刊 2019/11/6
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO51788740V01C19A1QM8000/
※2
出典:公益財団法人古紙再生促進センター
2018年古紙需給統計(2018年1月~12月)
http://www.prpc.or.jp/wp-content/uploads/2018_nenkantoukei.pdf
※3
出典:公益財団法人古紙再生促進センター
古紙品種別輸出先別輸出実績
http://www.prpc.or.jp/wp-content/uploads/yusyutu.pdf